騎士・駱甲（らくこう）
始皇帝の対匈奴遠征で活躍した駱甲は、同じくオルドスで武名を挙げた李必や程無英、韓兄弟らとともに、モダン騎兵のパイオニアとして知られている。
射技や馬質に頼らず、部隊の計画的な運動によって敵の背後をとる独自の戦術は、その後の中国騎兵思想に少なからぬ影響を与えた。
マス・ゲームのようだと称された華麗なファイトスタイルと不屈の生涯から、今なお多くの騎士からリスペクトを受ける存在である。
写真は前214年頃に撮影されたものか。
オルドス戦役での戦功から一時は五大夫にまで昇進したが、始皇帝死後に起きた蒙恬将軍の謀反事件に巻き込まれ、
獄中で騎士として致命的な障害を負うこととなる。しかし、釈放後に特殊な馬具を開発し、半身不随に近い身ながら執念の復帰を果たした。
その後も、所属を変えながら戦場に立ち続けたが、前204年、落馬事故で重症を負い、死亡。
生涯馬上に生き、馬上に捧げた一生であった。
