十
五
年
第三十七話へつづく
五
年
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第三十七話へつづく
| 予想者 | 勝敗予想 | 展望 |
| 酈食其（儒者/高陽の狂生） |  | 市民から教育の機会を排除する秦のやり方は、儒者である私からするととても許せるものではありませんねぇ。 ここはひとつ項将軍に奮起してもらいたいところではあるのですが、勝敗は個人の希望通りにはいかないものですねぇ。 まず項籍将軍。とても戦い方が雑ですねぇ。 右翼からの騎兵投入が持ち味なのですが、もう少し小技を覚えなければ李由には通用しないでしょうねぇ。 李由将軍は攻防兼備のオールラウンダーですが、まず相手に攻撃に至る距離を掴ませない。これが抜群に上手いんですねぇ。 項将軍はなによりもまず先に相手の懐に入れるかどうかですねぇ。 長期戦になる前に倒せなければ、勝機はないと思いますねぇ。 |
| 李左車（兵家/趙国客将） | | 個人的には項籍に勝ってもらわなければ困るのだが、そう甘くはいかないだろう。 なにしろ相手が悪すぎる。李由は張楚との戦いで寡兵で大軍を相手にしたタフガイだし、ましてや今回は大軍を擁している。 項籍は戦績こそ立派だが、まだまだ荒削りに見える。 今までの相手にはプレッシャーをかけて一点突破する戦い方で通用しただろうが、李由相手では厳しいだろう。 ディフェンス力の高い李由には機動力で対抗するしかないが、これまでの項籍の戦い方を見る限りでは、今回も足を使った戦い方はない。 追い込んで長期戦に持ち込み、ジリ貧になった項籍の撤退と予想。 項籍には打たれ強さはあるから、趙が李由と戦う時の研究材料にはなると思う。 |
| 叔孫通（儒者/楚国博士） |  | 秦は法が万能だという誤った考えのもと、全国を無用の戦乱に陥らせてしまいました。 やはり政治は恐怖ばかりではつとまりません。 儒教の教えである融和と協調の理念をもって臨まなければ、民心は離れるばかりだということが、ここ数年でよく分かったのではないでしょうか。 今もっとも勢いのある楚国の若き名将・項籍将軍には、一日も早く暴秦を滅亡させてほしいと願っています。 そしてまた再び儒学の栄える世の中を・・・・え？お前も元は秦の博士だっただろうって？ さて、なんのことでしょう。 |
| 韓信（自称兵学者/楚国兵士） | | 俺、今度の戦いで項将軍の下で李由と戦うんだけど・・・・。 まぁ、項将軍に勝ってもらわなきゃ困るんだけど、ぶっちゃけ厳しいっしょ。 俺ぐらいの玄人になると、項将軍の戦い方じゃ李由には勝てないってのがよく分かるのよね。 他の素人どもは、項将軍が派手に勝利するたびに喜んじゃってるけど、あの戦い方は数千単位の戦場まででしょ。 長期戦になって李由だろうね。 俺もヤバくなったら撤退できるように準備しとかなきゃね。 まぁ李由には一発はないし、そこまで激しい戦闘は起こらないんじゃないかな？ あっ！ヤベッ！今日食材当番だったの忘れてた！！ |
| 蓋公（道家/斉の黄老学者） | | みだりに法を振り回す無道の暴秦がこれ以上のさばるのは耐えられないが、 最近になって中原で人気を得ている項籍なる男にも辟易する。 聞けばこの男、攻略した城邑を片端から虐殺して廻っているという。 これは暴秦でも到底行わなかった無道である。 このような男がこれ以上もてはやされて良いはずがない。 いつか転落するであろう。 |
| 朱家（遊侠/魯の大侠） | | 私は一介の遊侠ですからね、戦争のことなんて分かりゃしませんよ。 ただ項籍将軍は魯に進駐した際に、それまで秦によって禁止されていた祭事を復活する許可を下さった方でね。 その男気には感動しましたよ。 そういえば項籍将軍が魯に来る前に、前哨部隊でやってきた季布とかいう隊長さんも気風の良い男だった。 楚の男はカラっとしていて好きだよ。願わくばもう一度会ってみたいもんだ。 |